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工藤保則・寺岡伸悟・宮垣元

『質的調査の方法』

2010.2.5

法律文化社

新入社員研修を各社している時期だが、新聞記者やテレビ関係者の取材や情報の集め方の研修はどのくらいなされているのか、いつも疑問に思う。

・某メディア局の番組で、インターネットによる女性限定アンケートを取ったというコーナーがあるのだが、ネットアンケートで、女性限定といっても、意味がないことをわかっていない。母数も明らかにしていない、などあまりにも初歩的な勘違いがまかりとおっている。

・某雑誌から焼きそばの歴史をきかれて、「断定できないが、少なくとも明治維新後、西洋料理がはいってから以降のことです」と答えたコメントに対し、「坂本龍馬も食べた焼きそば?」という見出しをつけて返されたこと。明治維新=坂本龍馬という安直なキーワードが担当記者に刷り込まれている現実。

こんなことが山ほどあり、取材者としてのいろは、基礎教養以前の、マナー、礼儀、話し方にいたるまで、社会人として許せない事例が多い。

取材する者は、対象となる人、事象から、「材(ネタ)を取る」以上、それを正しく、誠実に伝えるという最低限の義務があることを肝に命じてほしい。

この優秀なテキストは、社会学を修める大学生向けではあるが、ジャーナリスト新人研修にも必読の書として、注目されていいと思う。