BOOKレビュー

3000年以上にわたるコナモン史において、ゴマンとある文献、書籍から、単純に個人的に気になったものだけ取りあげて、ご紹介する「コナモンBOOKレビュー」。

2009年08月

12● 茶芸の奥座敷

B_090805_162001
徐英祥
『台湾の茶』
2009.1.26
「台湾の茶」出版委員会

中国茶というと、烏龍茶が一般的かもしれない。

が、私にとっては、日本の煎茶以上に、繊細でまろやかな台湾茶が、中国茶のイメージになる。

昔、清水一芳園の台湾茶ツアーで、茶畑をまわり、茶芸館の楽しみを知った。以来、香りと味の台湾茶の奥深さから離れられず、上等な煎茶以上の魅力を感じている。

熱湯で洗って、注ぎ、細長い杯に入れて、おちょこのような茶器にうつす。細長いほうは、お茶の残り香を楽しむためで、そのスタイルは、どの民族も開発できなかった、心身ともにほっとさせるお茶の効能だと思う。

文山包種茶、東方美人茶、阿里山烏龍茶・・・生半可にかじってきたが、今回この本を送っていただき、改めて台湾茶の歴史、品種改良のことを知ることとなった。

マレーシアで一番高価といわれる、クランのお茶「茶王」も、台湾のお茶を思い出させる仕上がりだ。きっと台湾の栽培技術の影響を受けているのではないかしら。

11● 華麗なるカレー界の王子による、カレーバイブル

B_090805_161801

ニッポンカレー大全

水野仁輔
小学館
2009年7月5日

最近カレーのすごさを痛感している。

クミン、チリ、ターメリックはもちろん、マスタードシード、ウーラットダル、コリアンダーシード、カルダモン、ココナッツ・・・スパイスも常備して、インドキッチンみたいな気分で作る。
全粒粉のプーリだってお手もの。
すべてはカリー番長水野さんの影響なのだが、彼のカレーに対する真摯なまなざしに憧れて、スパイスワールドに飛び込みたくなった。

彼の著作はたくさんあるけれど、一般人にも楽しめるカレーにまつわる集大成になっている。

ナンとロティチャナイが焼ける日が来るまで、私もこれをバイブルにがんばりたいと決意している。

10● メニューは「オーシャントラウトのコンフィ、ウイキョウのサラダ添え」

B_090805_161601和久田哲也
TETSUYA シドニーテイスト
柴田書店
2005.8.5

カメラの師匠でもある森枝さんから、自家製「トリュフバター」をいただいた時、その場でなめて、「トリュフ」であることがわからなかった。

すると「テツヤのレシピで作った高級品なんだからね・・・」と、森枝さんは真顔で怒っていた。森枝さんの会話によく登場する和久田哲也氏。世界の有名レストランに名を連ねるオーナーシェフだ。

でも私はまだ、TETSUYAで食べてないから、そのすごさはわからない。わからないけど、この本から、哲也さんの人柄や、食べること、食べさせることの熱意、食材への創意が伝わってくる。

哲也さんがお気に入りの大阪の店は、私も何度かおじゃましてるから、シドニーテイストのニュアンスは想像できなくもない。

が、サーモンの代わりだったオーシャントラウト(表紙フォト)をじっくりオイルで加熱する料理実験的な調理や、小麦粉のかわりに、コーンスターチと極微粒グラニュー糖でガトーショコラに挑戦するところなど、おそらく並のパッションでは立っていられない厨房が、TETSUYAたるゆえんなのだと思う。

10月、アデレード大学で講演する森枝さんに合わせて、TETSUYAデビューしたかったが、スケジュールがかなわず、オーストラリアはいつになるのやら。

いやそれまでに、もっとタフになって、相当な覚悟でもって、TETSUYAのエントランスを臨まなくては、と気合を入れすぎて、十八番「オーシャントラウトのコンフィ、ウイキョウのサラダ添え」のオーダーを、忘れないようにしたい。

オフィシャルサイト